作成日:2017/02/19 by AM   
   

 平成29年の淡交会新年会が、2月5日(日)、江東区のアンフェリシオンにおいて、73名の出席者を得て開催されました。
今回は、64回、74回、84回、94回、104回の卒業生の方々が幹事当番として、受付、司会、懇親会でのお楽しみ抽選会などを担当しました。

☆ ☆ 受 付 ス タ ッ フ の 皆 さ ん ☆ ☆

≪ ☆ 受付スタッフの皆さん  ☆ ≫
☆ ☆ 受 付 の 様 子 ☆ ☆

≪ ☆ 受付の様子 ☆ ≫

 午後4時、昨年の総会に続いて山田徹さん(64回)の司会で開会。山田さんのウイットに富んだ話術で、楽しい雰囲気の中で進行しました。

☆ ☆ 総合司会を務めた田中 徹さん(64回) ☆ ☆

≪ ☆ 総合司会を務めた田中さん ☆ ≫

 まず、寺澤捷年淡交会会長(60回)から、「同窓会は、何物にも代えがたい心豊かな時を味わうことができる大切な存在である」 と淡交会に対する思いを込めた挨拶がありました。

☆ ☆ 挨 拶 す る 寺 澤 会 長 (60回) ☆ ☆

≪ ☆ 挨拶する寺澤会長 ☆ ≫
 続いて、ご出席の鯨岡廣隆校長先生、造作聡美副校長先生の紹介があって、校長先生から生徒たちの最近の活躍についてのお話がありました。
『両国高校は3年後の2020年には創立120周年を、附属中学校は開校15周年を迎える。その節目の年に向けて、生徒たちの活動も活発になっている。
最近の例では、高校生は、東京都の英語スピーチコンテストで個人優勝、またグループのディベートコンテストで、ベスト4に二つ入っている。
中学生は東京都中学校英語学芸大会において、英語劇で優勝、さらに本日開催された中学生東京駅伝大会に墨田区のメンバーとして男子4名、女子3名が出場し、 男女とも大健闘している。
また、センター試験の結果にも大いに期待している。
今年は創立120周年事業の一環として校庭を大改修し、現在100名の部員に対して1面しかないテニスコートをもう1面増設の予定である。
120周年に向けて、一段と良い学校づくりを進めて行きたいと思っているので、よろしくお願いしたい』

☆ ☆ 挨 拶 す る 鯨 岡 校 長 先 生 ☆ ☆

≪ ☆ 挨拶する鯨岡校長先生 ☆ ≫
 続いて、毎年参加者が楽しみにしている講演会に移りました。




 学生運動最盛期に学生時代を過ごし、弁護士を目指した。現在、地元両国高校のすぐ斜め前で、弁護士事務所を開業している。
弁護士の仕事というのは、カッコいいというものはあまりなく、特に下町の弁護士の仕事は泥臭いものが多い。
本日はこれまでに手掛けてきた事件のいくつかをご紹介する。 (1)サラ金事件への取り組み  サラ金を扱ってもお金にならず、弁護士のキャリアとして評価されにくいが、サラ金に苦しんでいる人を見れば手を差し伸べるのが 弁護士の仕事ではないかと考えた。一度かかわると芋づる式に仕事が舞い込んで来て、結局多くのサラ金事件を手掛けることになった。
例えば、下は幼稚園から5名の子供を抱えた男性から、『蒸発した妻の借金で首が回らず、サラ金業者の厳しい取り立てで怖くて家に帰れない、 一緒に泊ってくれ』と頼まれたことがあった。当人に『業者には、弁護士の繻エ(くわばら)に連絡をするよう伝えなさい』と言ったところ、 30社くらいのサラ金業者から電話が来て、怒鳴り合いが続く有様であった。こうなると体力勝負で、“まず体力”ということをこの事件から教わった。
現在では利息制限法を超える利息を払う必要はないが、利息を払った証拠を保存しておくことが大切である。
このケースは、“クレジットそのつけの来るとき”というNHKのドキュメンタリー番組で紹介された。 . (2)東京大気汚染裁判への取り組み  1996年から足掛け12年間、弁護団の一員として取り組んだ。
これは、都内に居住または通勤していて、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫のいずれかを発病した患者又はその遺族合計518名が、 国、首都高速道路公団、東京都、自動車メーカー7社を相手取って、排気ガスを中心とした大気汚染物質の排出差し止めと損害賠償を求めた裁判であった。
この訴訟は2007年に、医療費助成制度の創設、環境対策の実施、解決金の支払いなどを条件に和解が成立した。
この時、被告側であった東京都の石原知事が『東京の大気汚染は尼崎よりひどい。環境規制がきちんとなされていないのは国と自動車メーカーのなれ合いの結果ではないか』、 『私は、心情的には原告団に加わって国を訴えたい』と述べた。
この石原都知事のパフォーマンスが、原告を助けた面もあるかと思う。 (3)認知症の母親殺し事件について  認知症の母親の介護に疲れた息子が一家心中を図って、当人は死にきれず、母親に対する殺人罪で起訴された事件。 現在の高齢化社会のはしりともいうべきものであった。
母親は夜中になると元気になり、裸で銀行に出かけると言い張ったり、新聞紙をちぎってご飯に振りかけたりの異常行動をするようになっていた。
30ヶ所くらいの病院に行ったが、そのたびに返された挙句の心中事件であった。
この事件に関しては、『他人事とは思えない』といった同情的なお便りをいただいた。 結局、懲役5年の判決が出されが、果たして5年もの懲役が必要なのか、個人の責任で親を見ることの方に問題があって、 この息子はある意味で被害者ともいえるのではないかと思った。 (4)ある残業代不払い事件について  電通の女性社員が過労自殺した事件が問題になっているが、日本の企業では、長時間労働が慣例化しているだけでなく、残業代の不払いも慣例化している。
この事件は、はじめ社長に対するパワハラの訴えであったが、話を聞いているうちにこの会社の残業が尋常でないことが分かってきた。
この会社の所定労働時間は、午前8時から午後8時までの1日12時間で週6日、週当たり72時間。法定労働時間は1日8時間、週40時間なので、 週32時間もただ働きをさせられていたということであった。
このケースは、会社側があまりにもブラック企業であったために、逆に速やかに解決し、時効分を除いた残業代を獲得することができた。 (5)弁護士会での活動  この10年余り、弁護士会の憲法委員会に所属して、憲法を守るための活動を行ってきた。
その一環として、高校、中学校、小学校に出向いて、教科書に掲載されている訴訟事件の判例を下敷きとして、憲法について一緒に考える出前講座をやっている “講演”のあらましは以上ですが、弁護士の仕事は、困っている人や問題を抱えている人の助けになることを宗(むね)としているわけで、 その苦労は並大抵ではないと思われます。
繻エ(くわばら)さんが逃げることなく、頼ってくる人たちに寄り添う姿に感動を覚えました。
数々のご苦労を経験されたこととは思いますが、優しそうで、頼りたくなる雰囲気をお持ちの方でした。
最後に、ホームページに掲載されている周辺区部の名所めぐり「人情弁護士の下町探訪」の中から、「白髭神社巡り」について楽しそうに話されました。

☆ ☆ 講演する繻エ(くわばら)周成さん(64回) ☆ ☆

≪ ☆ 講演する繻エ(くわばら)さん ☆ ≫


 

 第2幕「懇親会」では、河北治生さん(64回)が司会を務めました。

☆ ☆ 懇親会司会の河北治生さん(64回) ☆ ☆

≪ ☆ 懇親会司会の河北治生さん ☆ ≫

 初めに淡交フィルによる演奏が、良い雰囲気を醸し出しました。
メンバーは、北原徹さん(89回、ビオラ)、河野愛さん(103回、チェロ)、榎本侑歌さん(112回、バイオリン)、M名風花さん(112回、バイオリン)の4名の方です。 「パッヘルベルのカノン」、「フィンランディア」、「ありがとう」の演奏で場を和ませていただき、ありがとうございました。 続いて乾杯です。乾杯の音頭は、大先輩の長谷川澄雄さん(47回)にお願いしました。

☆ ☆ 乾杯の音頭を取る長谷川澄雄さん(47回) ☆ ☆

≪ ☆ 乾杯の音頭を取る長谷川澄雄さん ☆ ≫
 暫くして、お楽しみ抽選会の始まりです。
お楽しみ抽選会は軽部信雄さん、藤田伸子さん(いずれも64回)に仕切っていただきました。
ご出席のほとんどの皆さんに、福引の景品が当たったものと思われます。

☆ ☆ お楽しみ抽選会の藤田伸子さんと軽部信雄さん(いずれも64回) ☆ ☆

≪ ☆ お楽しみ抽選会の司会 ☆ ≫


 楽しい懇談にしばし時を忘れて過ごした後、軽部信雄さん(64回)の指揮で校歌を斉唱し、 副会長の植村昭三さん(62回)の挨拶と手締めでお開きとなりました。

☆ ☆ 校歌斉唱で淡交フィルを指揮する軽部信雄さん(64回)
左は長谷川英一淡交フィル団長(72回) ☆ ☆

≪ ☆ 校歌斉唱の指揮をする軽部信雄さん ☆ ≫
☆ ☆ 中締めの挨拶をする植村昭三副会長(62回) ☆ ☆

≪ ☆ 中締めをする植村副会長 ☆ ≫

記 載 : 淡交会事務局