資料室 委員会の 展示コーナーを 紹介!         (スマホ対応)    最終更新日:2015/10/15 by HK  
 9月12・13日の両国祭で、資料室委員会は 上記テーマで展示を行いました。
我が母校が生んだ三人の偉大な文芸家、芥川龍之介・堀辰雄・立原道造 については、
過去三人展と個別に芥川、立原の展示を行ってきましたが、今回堀辰雄を単独で取り
上げることにより、このシリーズが完結することになりました。
芥川(7回生) 堀(19回生) 立原(29回生) と続きますが、芥川と堀は干支で一回り
違う 同じ辰年生まれ、立原はその10年後の生まれという巡り合せから 互いに師弟
関係を結んでいました。 堀辰雄の芥川に対する尊敬の念は厚く、彼の自死に衝撃を
受け、卒論のテーマにすると共にその後の作品にも大きな影響を与えました。
また、堀の作品には芥川や立原と思しき人物が屡々登場します。 この三人は同窓の
誼を通じて堅く結びついていたことが分かります。
<  展 示 会 場 の 様 子  >
< 展 示 会 場 の 様 子 >
<  写 真 説 明 に よ る 解 説 の 様 子 >
< 写 真 説 明 に よ る 解 説 の 様 子 >
堀は生涯 愛と生と死を純粋に追求し、代表作 「風立ちぬ」 で作家としての地位を
不動のものとしました。 この作品は、最近 宮崎駿の同名のアニメ映画によって改め
て関心を呼んだようです。 今回の来場者数の多さに関係しているかも知れません。
我々の展示で 何処までこの作家の真髄に迫れたか、評価は見学者に委ねるほかありま
せんが、我々 資料室委員が半年かけて精一杯努力し、出来るだけビジュアルな展示を
心がけました。 資料の収集や作品の読み込みを通して 最後はスタッフ全員いっぱし
の 堀辰雄通を 自負するまでになり、見学者に対しても 自信をもって説明できるよう
になりました。
    < 戸 張  資 料 室 委 員 長 に よ る 解 説 >
< 戸 張 委 員 長 の 解 説 >
 来場者は二日間で 704名を数え、過去最高の人数に達しました。 69名の方に
ご協力頂いたアンケートを見ると、回答者のうち 保護者と小学生の合計が70%近く
に達しており、これは明らかに中学受験を考えている親子と想定されます。回答者数
の比率から逆算すると約490名と 推定されます。 尚、この回答者層は 堀辰雄に
ついては殆どの方が 知らなかったということでしたが、全体を通して見ると知って
いたと回答した方も多く、読んだ作品はやはり 「風立ちぬ」 が圧倒的多数でした。
 一方残念なことは、今年も卒業生の来場者が極めて少なかったことで、卒業生の来
場者を 増やすための工夫が 今後の課題と感じました。
 今年も成功裡に終了することが出来ましたのは、偏に資料室委員はもとより淡交会
事務局の絶大なるご支援ご協力の賜物と深く感謝致します。

                   淡交会資料室委員長 戸張誠之助(54回)