資料室 委員会の 展示コーナーを 紹介!         (スマホ対応)    最終更新日:2014/10/02 by HK  
 9月13、14日の両国祭では、本年度から付属中学で導入された海外ホームステイ
制度に因んで海外で活躍した、また現在も活躍中の卒業生3人を取り上げ、海外への
関心を高めることを意図した展示を行いました。
 第7回生の山本喜譽司は東大農学部を出て、三菱合資会社へ入社、中国での綿花栽培
事業に携わったのち、ブラジルに赴任し、農園経営に大きな成功を収めた経歴の持ち主
です。 戦後日系人社会を二分した勝ち組・負け組の対立抗争を収拾し、コロニアの天
皇とまで呼ばれた人物です。生涯をブラジル農業の発展に捧げ、彼の地で没しました。
また、芥川龍之介と同期で 無二の親友としても知られ、芥川は 山本の姪を 娶ってい
ます。
< ブ ラ ジ ル 農 業 の 開 礎: 山 本 喜 譽 司 氏 >
< ブラジル農業の礎 : 山本喜譽司 氏 >
< 外 交 官 ・ 政 府 特 使   齋 藤 鎮 男 氏 >
< 外交官・特使 齋藤鎮男 氏 >
 第29回生の齋藤鎮男は東大在学中に高等文官試験外交科に合格し、中退して外務省
に入省、戦前はジャワ軍政監部に勤務。 戦後はロンドン総領事、タイ国大使、インド
ネシア大使、オーストラリア大使を歴任、国連大使として 安保理事会議長を務めた 経
歴の持ち主です。 退官後ロッキード事件の際、政府特派大使として米国に派遣された
ことは、我々の記憶の彼方に消え去っていたことでした。 会期中ご長男の齋藤潤氏ご
夫妻と お孫さん3人が 来場され、お父様・お祖父様の偉業に 改めて 感激されていた
姿は 我々の望外の喜びでした。
< 東 京 新 聞 ・ 記 者 イ ン タ ビ ュ ー の 様 子 >
< 東京新聞・記者インタビュー >
< 齋 藤 鎮 男 さ ん の ご 家 族 と 懇 談 >        
< 齋 藤 鎮 男 さ ん の ご 家 族 と 懇 談 >
 第64回生の関野吉晴さんは 冒険家・探検家として世界を駆け巡り、現在も躍中です。
旅行中医術の必要性を痛感し、医学部に再入学して医師免許を取った異色の経歴の持ち主
です。 彼の最大の功績は、人類発祥の地アフリカから南米の先端まで祖先が辿った足跡
を自らの足で追体験した「グレートジャーニー」で、これにより植村直己冒険賞を受賞し
ています。 会場には、旅行に 実際使用した自転車、そり、食器、現地から 持ち帰った
収集品などを展示し多くの関心を集めました。
< 医 師 ・ 冒 険 家   関 野 吉 晴 氏 >
< 医師・冒険家 関野吉晴氏 >
< 冒 険 家  関 野 吉 晴 氏 の 装 備 品 を 展 示 >
< 冒険家 関野吉晴氏の 装備品を展示 >
 3連休にも拘らず、両日で671名という、過去最大の来場者を迎えました。アンケー
トを見ると、回答者の73%が 小学生同伴の保護者で、付属中学受験を考え て来場された
ことが推測されます。 殆どの方が 大変興味を持ったと回答していますが、興味の対象
は 関野 60%、山本と斎藤が各20%でした。 関野氏については、自分の足で世界を駆け
巡った その行動力に魅力を感じたとの回答が多くありました。 半年以上掛けて準備し
成功裡に終わったことは、関係各位の絶大なご協力の賜物であり、主催者として深甚なる
感謝の意を表します。
                    資料室委員長 戸張誠之助(54回)