2018年9月発行 附属中学校 第3学年通信 特集記事       最終更新日: 2019/01/07   

◎3年1組 担任 阿部雄大
☆「主食の違い」☆

 みんなもおそらく行く前か
ら覚悟していたと思いますが
、本当に米が出ない!
パン食なのかと思っていまし
たが、ホストファザーのご病
気の関係で小麦が食べられな
いためパンではなく、僕の主
食は毎朝 Chex(チェックス)
というシリアルでした。
これと果物とヨーグルトを
混ぜ、アーモンドミルクをか
けて食べる。これがとっても
美味しい。 甘党な阿部はホス
トファミリーが「え、そろそろ
違うの食べたくない!?」 と
引くくらいに毎朝これを食べ
て過ごしました。
果物は、イチゴの日もあれば
ラズベリーやブルーベリーの
時も。 びっくりしたのは、こ
れとは別に色々な穀物を食べ
たことです。 我々がサラダに
かけたりするグラノーラや、
ヒマワリの種などが主食扱い
で出てきました。 「なるほど
〜」 と思っていたら、ある日
出てきたのは灰色のつぶつぶ。
「これは buckwheatだよ」 と
言われて全く分からず調べた
ら「ソバ」。 どうやら、ソバ
の実を炊飯器で炊いたものだ
ったようです。 蕎麦は今まで
に何度も食べましたが、ソバ
の実を食べたのはそれが初め
て。 アメリカの人たちは、米
という絶対的な主食がない代
わりに、様々な種類の穀物や
シリアルから炭水化物を取っ
ているのだな、という気づき
は日本で調べたりする程度で
は知りえなかったことかもし
れません。

☆「目玉焼きの違い」☆

これくらいならと、目玉焼き
を毎朝自分で作らせてもらっ
て食べていました。 ホスト
ファザーが焼くところを見て
いると、日本と焼き方が全然
違います。 日本では(少なく
とも阿部家では) 卵を割り入
れた後に水をかけて蓋をし、
蒸し焼きにして作るのが普通
です。 ところがアメリカ式は
水を入れず、卵だけ! 「これ
じゃ上にある黄身の部分が固
まらないのになー」 と眺めて
いたのも束の間、突然のフライ
返し! 「なるほど! そうやっ
て 固めるのか!!」 もちろん
見た目も 薄いお好み焼きのよ
うな形状で日本とは全く異なり
ました。 まあはっきり言って
どっちも美味しかったけれど。
全然違うんだなーとしみじみし
ていたところ、ふと思い出しま
した。 目玉焼きは英語で…。
日本のとある中学校(?)の授業
でこの英語を習った時に感じた
違和感は、本場アメリカでやっ
と解決したのでした。
Lakeridge では、両国附属中
との違いがいくつもありました。
中でも 一番衝撃的だったのは、
auditoriumでした。こちらで
言うと視聴覚室に当たるのだと
思いますが、その広さや構造、
椅子の配置からして段違いでし
たね。 途中からこっそり2階
に上がらせてもらい、講演なさ
っている先生にスポットライト
を当てる仕事をずっとしていた
(気づいた?)のですが、そこの
設備もとても豪華でした!。写真
のミキサーは視聴覚室にあるもの
の10倍くらいはありました。
バンドをやっていたので操作
の仕方は知っていますが、日本
でこんな大きいものはプロの現
場でしか見たことありません。
レクをやったり昼食をとったり
したホールも、開放的で素敵で
した。うちの食堂とは違って、
ここを通らなければauditorium
や各教室に行けないようになっ
ていて、食事以外にも色々な催
し物が行われる大事な場所なの
だろうな、と想像すると同時に、
日本の学校にもこのようなオー
プンな憩いの場があるといいな
と思いました。 他にも、教室
の様子や授業の雰囲気等、見て
いて日本とは違うなというとこ
ろは多々あり、自分の授業や学
校での振る舞いを振り返る良い
機会にもなりました。みんなが
楽しそうに課題に取り組んでい
た姿も とても印象的でした。
8月3日の昼に CHUCK-A-RAMA
という ビュッフェスタイルの
お店に連れて行ってもらいまし
た。そこでは2つの驚きに出会
いました。 まず1つ目は、制限
時間がないこと! 「日本ではこ
ういうお店には 必ず制限時間
があって、例えば 90分なら
90分後に出なければならない」
と説明したら、「何だかせわし
なくて大変ね」 とホストマザー
が少し顔をしかめて言っていま
した。 全部 ぐるっと見て回る
と、とうとう 「Rice」 を見つけ
ました。 「お、久しぶりだー。
やっぱ あるところには あるな
。」と思いながらよく見てみる
と、米自体は米なのですが、お
かれている位置から察するに、
どうやらチキン料理の付け合わ
せのようでした。どうやら、こ
ちらで米は、ステーキの付け合
わせであるところのポテトのよ
うな扱いを受けている ようで
した。 これが2つ目の びっく
りです。 お料理は どれもとて
も美味しく、デザートがとても
甘くて幸せだったことは 言うま
でもありません。(あ、また食べ
物の話になってしまいました。)
夏期講習では、「違いから問いを
作る」 という話をさせてもらい
ました。みんなも、ユタで本当
に色々な違いに触れてきたと思
いますが、ぜひ、「なぜ 違うの
か?」 ということを考えてみて
ください。 僕が書いた いくつ
かの 「違い」 にも、何か合理的
な、あるいは歴史的な理由があ
るのだと思います。もしかした
ら僕の目玉焼きのように、すぐ
にはわからず、10年後に判明
することもあるかもしれません。
何気ないことや、ともすれば当
たり前と思いがちなことを問い
続けることは、大変ですが、そ
の分みんなに本質を考える力を
つけてくれると思います。
Lakeridge で聞いた 「differ-
ence」 についての講義は実に本
質的なものでした。 どちらが
良い、どちらかが劣っていると
いうものでもなく、ただ違うと
いうだけ。 この違いを どちら
も尊重し、理解し、更には楽し
むことができたら、言語や人種
、宗教の壁なんか全然怖くない
かもしれませんね。 僕もみんな
と一緒に 大きく成長できた海外
語学研修。 1学期とは 一味「違
う」 みんなとまた一緒に 授業が
できることを楽しみにしています。

◎3年2組 担任 柄山紀子
☆ 「Kathryn と 私」 ☆
"Nice to meet you."の後 ホス
トマザーから「スペイン語なら少
し話せるけど、日本語は 全然。
あなたは英語が話せるの?」と
尋ねられ こんなときに使うの
が"A little."だと理解した。
ホストマザーは"Kathryn"とい
う名前で (「キャサリン」 では
全くなく、私には 「カタラン(
語らむ)」 と聞こえる)、資料に
よると 十代の孫娘2人との 3
人暮らしだというから 「どんな
事情が?」 と勝手に心配してい
たが、要は ここも Big Family
で、娘(孫娘たちの母)に 赤ちゃ
んが生まれて 夜も大変なので、
孫娘たちは 高校も近い 祖母宅
に住んでいるのだった。 週末、
Kathryn と 彼女の母親、娘、
娘の夫、孫娘たちに、私は、肉
じゃがやお好み焼き、豆腐ステ
ーキを振る舞うことになる。
現地にものすごく甘いお菓子が
あることは知っていたので驚か
なかったが、強烈に塩辛い料理
には驚かされた。幸いKathryn
はとても料理上手で、スパゲティ
・ミートボールの絶妙なハーブ
使いや、ズッキーニやマッシュ
ルームの料理の微妙な塩加減に
感銘を受けた。 また、ライス
プディングを作ってご近所さん
を訪問したのだが、これはご飯
に慣れた日本人の舌に合う味だ。
そして、彼らは近所づきあいを
大切にする。 私も 半ば強引に
カードゲームに参加させられた
が、わざと目につくようにカー
ドを隠すのもご愛嬌で、ジョーク
を 飛ばし続けるのが 彼らの流
儀である。 勝敗ではなく ふれ
あうことに 意味がある。 アメ
リカの ホームドラマ そのまま
だった。 Kathryn は最初それ
ほど日本に興味があった訳では
ないと思う。それがFarewell-
Partyでの日本文化の紹介を見
て興味を持ってくれたのが嬉し
かった。 日本と中国、韓国に
おける漢字の用いられ方の違い
や、日本人にとってのお盆の意
味について、たどたどしさを絵
に描いたような英語で説明した
のが 私にとってはとてもよい
体験となった。最後に、Fare-
well Partyで自分が着た浴衣
と、和柄のカード (表面には英
語で感謝の言葉を綴り、裏面に
は筆ペンで 「キャシー」と「愛」
を書いたもの) を贈った。どちら
も "Pretty!" と喜んでくれた。

◎3年3組 担任 中西一洋
☆ 「出会いは人生の宝」 ☆
Host Father の紹介で Eric
Dowdle という、有名な アー
ティストにお会いすることがで
きました。彼の作品は観光地等
を取材して、その地の風景や人
物を細かく描き込む(僕の「LIFE」
にも通ずるところもある)という
スタイルの作品を作っています。
studio (アトリエ) は自宅の
敷地(公園かと思うほど広い!)
にあります。 新作ができると
たくさんの人を招きパーティー
を開き、披露するそうです。制
作過程は すべてプロが動画に撮
り、youtube等で紹介していま
す。 本人のキャラクターも ユ
ニークでトークも面白かったです。
Kazuhiro Nakanishi を一発でリ
ピートできたのは 彼だけでした。
彼の作品はその他の従業員によ
って、商品化(パズルや塗り絵、
立体物など)され、出荷されます。
彼の作品専用の工場で商品が出
来上がっていました。狭い日本
と違い、広大な土地だからでき
る活動だと感じました。やりた
いことを伸び伸びできる環境も
ユタにはあると感じましたし、
そのような人をサポートする雰
囲気がアメリカにはあるように
感じました。彼は世界の観光地
の作品を手掛けていますが日本
はまだ描いていないそうです。
ちょうど来年日本に来る予定だ
ったようです。ということで、
もしかすると来年、彼が来日し
た時には中西が案内して日本の
作品が出来上がるかもしれま
せん。 今から excitingし
ています。 ユタでは いい
出会いがありました。
人との出会いは人生の宝
だと感じました。